永田良介商店

神戸家具・技の伝承

はじめは、西洋家具のまねごとでした。
生活様式に合わせた構造を知り、流麗な彫刻をたどり、何百年にわたって愛されてきた美を感じとり、日本の、神戸ならではの繊細さと生真面目さを織り交ぜて神戸家具は生まれ、永田良介商店も歩み始めました。
その時代の息吹を取り入れながら、匠の技による手法と家具に込める想いは今もそのままです。

正しく手間を掛けていくために。

100年使っていただける永田良介商店の家具。ただ、その長い歳月の間には、正しい修理がどうしても必要です。そのために、創業者の代から技術やデザインなどすべてにおいて継承してきました。作ることと同じくらい、時を経ても当店で手間を掛け正しく修理することにこだわり続けます。

ハコモノ / イス / ホリモノ

ハコモノ

表面には木目を美しく見せる「墨ぼかし」を施し、引き出しには接着剤や釘を使わずに「蟻組み」という組み接ぎの技を用い、強度を出します。
※ドレッサーやチェスト、食器棚、本棚、デスクなど箱のように角張った家具を総称して「ハコモノ」と呼びます。

人気のデザインは、今も永田の顔。

英文字のSやMに見えるデザインは、永田の洋服タンスなどの扉に多く見られるデザインです。中世ヨーロッパのゴシック様式の流れを組むチューダースタイルで、戦前から戦後にかけて、永田のデザイナーたちが確立。やがて人気商品となり、いつしか永田の顔になっていきました。

イス

食卓で使い込みたいシンプルな木製椅子、部屋のアクセントになる飾り椅子、色鮮やかな生地を使ったパーソナルチェアなど、上質で多彩な椅子を作ります。

椅子職人は、図面起こしにはじまる。

店から上がってくる10分の1の図面をもとにした原寸図の描き起こしは、椅子職人の関門ともいえます。立体をイメージしながら、さらに加えられる微妙な角度やゆるやかな曲線は、職人ならでは勘と技によるもの。これこそが、永田の椅子の美しさと快適な座り心地をつくり上げてきた大きな要因です。

ホリモノ

永田良介商店のデザイナーたちがかつてフリーハンドで描いた模様をもとに、今でも職人が自身の手で彫刻用にデザイン画を描き起こし、製作しています。

何十年彫り続けても、難しさは変わらず。

彫刻の仕上がり具合が、家具そのものの価値を左右しかねない。そう思えば、彫る前の型起こしの段階ですでにイメージは出来上がっているものの、ノミの刃先の位置を決める手も、ゲンノウを打つ手も、常に緊張感にさらされます。「どれも難しい」。何十年もこの模様を掘り続けてきた今も、そう語る職人の彫りの妙こそが永田の味です。

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